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「健康、キャンペーン、商品名」インターネット行動分析で見えてきた菓子メーカーサイト訪問者の興味関心2021.06.25(金)

こんにちは、編集部のTT(ティティ)です。インターネット行動ログ分析を行う調査会社の㈱ヴァリューズが6月24日に公表した「デジタル・トレンド白書 2021」の中で、菓子メーカーサイトの行動分析調査が掲載されていましたので、今回はこの内容を紹介します。

白書では、自動車、化粧品、食品、製薬・ヘルスケア、アパレルといった分類で分けられた消費財や耐久消費財のデジタル動向分析が掲載されています。その中で菓子分野は食品の一項目「お菓子業界5社をマーケティング視点で企業研究!」として紹介されています。同調査では、㈱ヴァリューズが提供している競合分析ツール「eMark+」を用いて、2019年3月から2020年2月にかけての菓子メーカーサイトにおける消費者行動分析を行っています。

これによると、2020年2月の菓子分野の国内企業サイト訪問者数ランキングの上位3社は、明治ホールディングス㈱(以下明治)森永製菓㈱(以下森永)江崎グリコ㈱(以下グリコ)でした。明治は、年間を通じてトップを維持しており、特に11月以降は「インフルエンザNavi」への訪問者が増えました。森永は、森永ビスケットとセサミストリートがコラボした期間限定キャンペーンが中心となって訪問数を伸ばしました。

2019年9月から2020年2月にかけての外部サイトからの集客状況については、自社の会員サイトから多くの訪問者を集めたのがカルビーとグリコでした。また、各社共通してTwitterやFacebookなどSNSからの流入が多いのも特徴としてあげています。商品を使ったレシピやクイズなど消費者の興味を引く情報の発信が訪問につながっているといいます。

検索ワードを分析すると各社の傾向が顕著にあらわれてきます。カルビーは、オンライン・国内店舗のみで展開する高級ポテトチップスの「グランカルビー」、店内にミニ工場を持ち揚げたて商品が食べられる「カルビープラス」の検索が目立ちました。森永は、「マフィン」「焼き方」などレシピを検索するキーワードが多くありました。グリコは、「亜鉛不足」など健康に関わるキーワードの検索が流入につながっています。特に健康についてまとめたサイト「栄養成分百科」の閲覧数が多くありました。ブルボンは、「アルフォート」「シルベーヌ」「ルマンド」など、商品名の指名検索をする人が多くいました。

分析では、各社の特徴を下記のようにまとめています。

(1) カルビー:ファンクラブや実店舗の販売がサイト訪問者数増加に寄与

(2) 森永:コラボキャンペーンや自社商品を活用したレシピが訪問者数を伸ばす。

(3) 明治:年間を通じてサイト訪問者数トップ。インフルエンザ予防の情報提供が訪問者数増につながる

(4) グリコ:会員サイトでユーザーの定期訪問を促進。健康に高い意識を持つ層に向けた情報発信が多い

(5) ブルボン:SNSやブログ記事からの流入比率が高い。独自戦略による商品企画・プロモーションで消費者の心をつかんでいる

作り込まれている企業のホームページは、発信したい内容がしっかりと伝わるよう工夫されているとよく言われますが、上記の5社は、まさにそのとおりの結果になったといえそうです。

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