明治が3社でたんぱく質摂取推進のコンソーシアムを設立。施策第1弾として佐久市での「たべる教科書」の活用も発表2022.06.20(月)ニュース
㈱明治(本社東京 松田克也社長)は6月17日、渋谷ヒカリエのヒカリエホール「ホールA」で、伊藤ハム米久ホールディングス㈱(本社東京 宮下 功社長)、マルハニチロ㈱(本社東京 池見 賢社長)と共に、「たんぱく質コンソーシアム『めざせ1日80g! たんぱく摂ろう会』」の設立記念発表会を開催。同時に、同コンソーシアムの活動理念に賛同する長野県佐久市、(公社)日本栄養士会(所在東京 中村丁次代表理事会長)と連携することを発表した。
同コンソーシアムは、日本のたんぱく質摂取量の低下や低栄養という現代における社会課題の解決に対して、たんぱく質摂取の啓発を通じて、すべての年代の方が心身共に健康で安心して暮らせる社会の実現を目指して結成。啓発活動については、食品業界を中心とした産業界、地方自治体、職能団体が垣根を越えて連携。今後は教育機関や研究機関などとの協業も視野に入れながら活動していくとしている。
発表会は、代表幹事を務める㈱明治の松田克也社長の挨拶からスタート。同氏は「近年、SDGs、ESGといった企業経営にとっても重要な社会課題に、食品の健康価値を通じて解決のアプローチを実践していく」と宣言。伊藤ハム米久ホールディングス㈱常務執行役員 加工食品事業本部長 兼 伊藤ハム㈱社長の伊藤功一氏も「現代社会の栄養課題を解決していく思いと決意で参加した。日本の食生活の習慣を変えていきたい」と抱負を述べた。また、マルハニチロ㈱常務執行委員の小梶 聡氏も「たんぱく質摂取量の低下と低栄養という課題を解決していく」と高らかにマニフェストした。
続いて、同公社の中村丁次代表理事会長が「もっとたんぱく質を」と題し約20分、現在の栄養問題である“栄養不良の二重負荷”について講演。「現代は過栄養と低栄養の混在という“二重負荷”が問題だが、骨格や筋肉は多種多様なたんぱく質の摂取によって組成される。また、低栄養になると生理的な部分だけでなく精神状態にも変化が現れるので、充分な摂取が重要」と解説した。
その後、松田氏より「体力や基礎代謝の低下、過度なダイエットなど、各種の健康課題が顕在化しているので、その解決に寄与していきたい」と設立の主旨が説明され、その具体的な施策の1つとして、長野県佐久市、同公社と連携し、作成された「たべる教科書」の活用が発表された。
同書は同公社監修の下、小学校の中・高学年を対象に、たんぱく質の大切さを学び、実際に食べることで理解を深めることができる“体験学習型教科書”。前半部分には「たんぱく質の重要性」や「各種栄養素」「身体の仕組み」などの解説が掲載されており、読んで学べる内容に。続く後半部分には「たんぱく質を十分に摂ることができる朝ご飯」を調理できるミールキットが同梱されており、同栄養素の大切さについてたべることで理解を深める内容になっている。
同教科書を使用した取り組みの第1弾として、たんぱく質にまつわる公開授業を、「快適健康都市」として健康に関する取り組みを積極的に推進している同市の望月小学校で実施する。さらには、同公社が保持するエデュケーションカーと同コンソーシアムがコラボした巡回カーの「たんぱく摂ろう号」が全国に出向く予定。同日、同車は発表会場である渋谷ヒカリエの1階に展示された。