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フードニュース 2023年 10月号

CLOSE UP特集1:ユーザー層拡大急務の和菓子。和洋折衷に活路/特集2:ロングセラー菓子売上上昇。ブランド強化奏功

目次

  • 01 . 【特集1:和菓子・新潮流】ユーザー層拡大、喫食機会増加が急務 。「洋菓子世代」向け和洋折衷に活路
  • 02 . 【経営者インタビュー】榮太樓總本鋪 代表取締役社長 細田将己氏~5大ブランド戦略奏功し2ケタ伸長。人的資本経営で300年企業目指す~
  • 03 . 【和菓子メーカー各社動向 】 井村屋 :「片手でギュッ」の食べやすさ訴求奏功 。冷凍和菓子好調。和洋融合新商品に期待/丸井スズキ・日本橋錦豊琳: 伝統×革新のかりんとう積極投入、顧客開拓へ。LINEギフトやEC強化も/山崎製パン: 洋菓子要素取り入れ、ヒット新商品連発。女性製品開発担当者により深化促進 /杉本屋製菓 :和洋折衷・複合食感で若年層喚起 。一般流通和菓子の可能性を開く
  • 04 . 【特集2:「ロングセラー菓子」新施策 】慣れ親しんだ味と低価格の優位性発揮 ブランド強化策奏功、売上拡大へ
  • 05 . 【ロングセラー菓子メーカー各社動向】 オリオン: ブランド強化・販路拡大で過去最高売上。 主力商品の展開注力、コラボ人気も継続/黄金糖 :100周年記念の「純金の黄金糖」を制作。 揺るがぬ製法、ブランド価値継続し新時代へ/パイン :長年の施策実り「パインアメ」空前のブームに。 派生、コラボ商品でブランド価値強化/UHA味覚糖: 素材への追求貫き“昭和の飴”2品健在。「おさつどきっ」は若年層獲得し絶好調/コリス: 「フエラムネ」50周年施策好評実施中 。ファンの声熱く、商品再認知で購買層拡大/ チーリン製菓 :前期好調、今期も2ケタ伸長で推移 。「昭和レトロ」や低単価商品の価値訴求/ 中野物産 :“旨スッパい”独自の味わい、愛され続ける 。「#都こんばー」増加、昆布価値の再評価へ/おやつカンパニー: 「ベビースター」ブランド再想起施策奏功 。新機軸商品も好調で、過去最高売上へ
  • 06 . 【決算発表(2023年12月期・上半期)】 江崎グリコ/山崎製パン/不二家/アサヒグループHD
  • 07 . 【中長期成長戦略】 亀田製菓
  • 08 . 【秋季取組方針】 明治
  • 09 . 【秋季新製品&戦略】 湖池屋/森永製菓/扇雀飴本舗/ライオン菓子/ギンビス/日清シスコ
  • 10 . 【TOPIC】 カルビー/東京チョコレートサロン2023/亀田製菓/アサヒグループ食品/エイワ/Makuake
  • 【特集1:和菓子・新潮流】ユーザー層拡大、喫食機会増加が急務 。「洋菓子世代」向け和洋折衷に活路

     全日本菓子協会(ANKA)が発表した令和4年(2022年)の和生菓子の生産数量・金額、小売金額(推定)は生産数量:28万9700トン(対前年比108.0%)、生産金額:3859億円(同110.0%)、小売金額:4703億円(110.0%)と、コロナ禍以前の水準には届かなかったものの、2年連続で回復の足跡を刻んでいる。
     しかしながら、コロナ禍の影響による和菓子専門店の撤退や、お土産市場が冷え込んだことに加え、SMやCVSなど一般流通市場においても、和菓子売場の縮小傾向が進んでいるという見方もあり、さらなる市場回復施策を講じない限り、市場の減退に繋がりかねない状況だ。
     コロナ禍以前の2010年代の約10年間では、和生菓子の小売金額は4600~4700億円前後で定着化していた。高年齢層が中心とはいえ、和菓子ロイヤリティの高い長年のユーザー層が存在していることは確かで、こうした既存ユーザーの確保と新規ユーザーの開拓により、経済・社会状況に左右されない、安定的成長を継続するポテンシャルは十分といえる、、、(以降、詳しくは本誌で)。

  • 【特集2:「ロングセラー菓子」新施策 】慣れ親しんだ味と低価格の優位性発揮 ブランド強化策奏功、売上拡大へ

     昭和の時代に生まれ、さまざまな社会・経済情勢の変化を乗り越え、令和の時代になっても、子どもたちには幸せなおやつの時間を、大人たちには郷愁や思い出といった癒やしの時間を提供しているロングセラー菓子。カテゴリーとしてひとくくりにするのが難しく、販売データも見つけにくい状況だが、各方面からの分析や今回取材したメーカー各社の動向から推測するに、昨年1年間と今年ここまでのロングセラー菓子の売上は、上昇局面に入ったといえるだろう。
     その要因としては、①食品・菓子の相次ぐ値上げにより、低価格帯ロングセラー菓子の優位性発揮 ②変わらぬ製法による味わいや品質面での安心感の再評価 ③100円ショップ、CVS等への販路拡大 ④昭和レトロブームの継続による若年層ユーザーの拡大 ⑤「黄金糖」100周年、「ベビースターラーメン」65周年、「フエラムネ」50周年などの周年記念企画や、コラボ商品展開等によるブランド再認知の強化と、それに伴うによるユーザー層の拡大、などが挙げられる、、、(以降、詳しくは本誌で)。

  • 【中長期成長戦略】 亀田製菓

    独自価値追求した事業構造へ変革
    製菓業から米業へ。新価値・新市場創造

     亀田製菓㈱(本社新潟 ジュネジャ・レカ・ラジュ会長CEO/髙木政紀社長 COO)は8月28日、オンライン説明会を行い、「亀田グループ『中長期成長戦略 2030』」を発表した。 
     グループの理念体系を再構築した上で、中長期の事業構想を提示。「製菓業から米業へ。お米の可能性を最大限引き出し、世界で新価値・新市場を創造する “ライスイノベーションカンパニー”の実現に向け、『独自価値創造型』の経営戦略へと変革していく」(ジュネジャ会長)とし、基盤事業(国内米菓事業)でキャッシュを創出し、米の加工・生産技術力や研究開発力を活かした新価値米菓、海外事業、食品事業を成長エンジンとして事業規模を拡大していく考えを示した。
     また、2026年度を目標年次とした新たな中期経営計画も策定。国内米菓事業の戦略については「価格から価値訴求へシフトし独自性を目指す」(髙木社長)とし、重点4ブランド(※)の“価値深化”を図るとともに、次世代のユーザーを取り込む新価値米菓の投入など米菓の新価値創造(ミライベイカ)を図る“進化”に向けた取り組みを進めて行く方針を示した。
    構造改革により早期に収益基盤を立て直し、2026年度までに安定的な収益体質へ転換して最高益を達成、その基盤をベースとした拡大戦略によって高収益の成長を目指している、、、(以降、詳しくは本誌で)。
    ※「亀田の柿の種」「ハッピーターン」「亀田のつまみ種」「無限」