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【新素材特集・エンドウベース】企業インタビュー・セイウ㈱ 営業統括本部 営業企画部 マーケティング マネージャー 管野裕夫 氏2022.08.25(木)フードニュース

※本企画は「フードニュース8月号」でも掲載しています。

国内エンドウベース市場拡大へ事業展開

―― 御社の概要とエンドウベース製品の取扱状況をお教えください。
管野 当社(本社大阪 孫 成代表取締役社長)は、ゼリー関連商品を中心とした菓子・食品・水産加工品等を製造・販売しており、生産拠点として、国内では静岡県焼津市、海外では中国山東省の煙台市にグループ会社の工場を有しております。
 エンドウベース製品の取り扱いについては、今年3月にプランテック事業部を立ち上げて取り組みをスタートしました。

―― どのような狙いで同事業部を立ち上げたのでしょうか。
管野 世界的な人口増加に伴うタンパク質危機が懸念されている一方、欧米では「アレルゲン」「遺伝子組み換え」等の観点から、大豆タンパクベースを避ける「Soy Free」の動きが出ており、大豆に代わるプラントベース原料として、エンドウベース製品への注目が高まっています。
 また、国内でも2023年4月から、大豆やトウモロコシ等の「遺伝子組み換え不使用表示」が厳格化(※)することもあり、アレルゲンフリーで、遺伝子組み換えがないエンドウ豆をベースにした製品の需要は、一層高まってくると考えております。ただ、国内ではエンドウベース製品への参入企業はまだ少数であるため、新たに市場を開拓して行くことを目指しています。

―― 御社が取り扱う製品の特徴を教えてください。
管野 当社の中国工場の近郊に位置する企業が製造するエンドウベース製品を、輸入・販売させていただきます。
 製品としては、たんぱく質含有量が高い「粉状製品」(含有量80%・85%)や、「フレーク状製品」「顆粒状製品」「スライス状製品」「ブロック状製品」等を取り揃えています。
 当社の特徴としては、中国工場の製品を週1回は中国~日本に船便でコンテナ輸送しており、同コンテナにエンドウベース製品を合積みすることで、輸送コストを抑えつつ、定期的かつ安定的に輸入することを可能としております。

―― 菓子類への展開については、どのようにお考えですか。
管野 大豆ベース製品と同様に、塩味の効いたスナック等との相性はよいのではないでしょうか。またチョコレートやココア、コーヒーなど豆を原料とした商品との親和性も高いと考えています。
 このほかタンパク質含有量が高いことから、プロテインバーなどへの活用が期待されるほか、グラノーラなど健康訴求製品への導入も期待されます。

―― エンドウベース市場は今後拡大していきそうですね。
管野 今年3月に事業部を立ち上げ、食品メーカー様を中心に多くの引き合いをいただき、ニーズの高さを感じています。
 今後、まずは食原料としての粉製品等で、食品メーカー様や食品卸様向けへの実績を積み上げていき、フェーズ2として総菜(冷凍加工食品)をスーパーマーケット様や食品メーカー(OEM)様に販売し、現在の主力事業であるゼリーを超える事業部に育てて行きたいと思っております。

※現行の表示制度では、遺伝子組換え大豆の意図しない混入が5%以下の場合、「遺伝子組換えでない」などと表示することができる。

製品に使用するエンドウ豆のイメ―ジ
エンドウベースの粉状製品

セイウ㈱ホームページ

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