世界最大級の国際総合食品見本市「ANUGA2025」現地取材レポート2025.11.27(木)フードニュース


本誌2025年11月号に掲載の記事の抜粋。
世界最大級の国際総合食品見本市開催
代替多様化、新素材。食のトレンド最前線
世界最大級の国際総合食品見本市「ANUGA2025(アヌーガ2025)」(主催:ケルンメッセ社)が、10月4日~10月8日の5日間にわたり、ドイツ西部のノルトライン・ウェストファーレン州ケルン市で開催された。
隔年(西暦の奇数年)に開催している同展示会は、10の専門見本市で構成しており、菓子・スナック製品、アイスクリーム、ベーカリー、冷凍食品、精肉、デリカデッセン、チルド製品、ドリンク、健康食品、代替食品など、食料品・飲料品全般を網羅している。
110カ国から8000社以上が出展し、最新トレンドを反映した新製品や、革新的な技術を用いた製品、世界的にニーズが高まっている新素材などが集結した。また、190カ国以上から14万5000人以上が訪れ、グローバル市場における販路開拓・拡大を目指すメーカーと、新規性の高い製品導入を目指す大手卸売やグローバル展開する小売業とのマッチングが図られていた。
弊誌「フードニュース」では今回、グローバル食品市場におけるトレンドの最前線を探るべく、「アヌーガ2025」の展示会視察とともに、ドイツ・フランスの市場を視察するツアーを企画した(旅行取扱 ㈱URZ INTERNATIONAL(本社大阪))。
本レポートでは「アヌーガ2025」の開催概要や最新トレンドを報告するとともに、展示会の目玉の1つである、革新的な製品が選出・展示される「Anuga taste Innovation Show(アヌーガ・テイスト・イノベーション・ショー)」を紹介する。また、菓子分野の出展社を中心にインタビューを行い、独自価値を訴求した製品の特徴やコンセプト、戦略について話を聞いた。
多様化する代替原料、地域資源の活用、サステナブルな取り組みの深化、プレミアム/低価格帯商品といった「消費の二極化」の両極に位置する商品に対するニーズの高まりなど、グローバル食品市場の現在地と今後の方向性を探っていく。
出展社数過去最多
10分野の専門見本市が一堂に会する形で開催された「アヌーガ2025」の会場総面積は約30万㎡。110カ国から過去最多となる8000社以上が出展し、来場者数も前回実績を上回り、190カ国以上から14万5000人以上が訪れた。
出展社のうち約94%が海外(ドイツ国外)の企業、また、海外来場者の割合は約80%。世界中から食品・飲料業界関係者が集い、トレンドの最前線を体感できる機会となった。
会期中には特にイギリス、イタリア、オランダ、スペインからの来場者が多く見られたとのこと。また、ヨーロッパ以外の国からは、ブラジル、中国、日本、カナダ、アメリカが来場者数上位にランクインしたと発表している。
今回の展示会では、韓国がパートナー国となり、100社以上が出展。幅広い面積を確保して様々な分野の企業がブースを展開し、存在感を示していた。キムチ、コチュジャンなど世界的にもトレンドとなっている“発酵食品”、また、菓子製品などを積極的にプロモーションしており、グローバル食品市場への進出、販路拡大に向けた高い意欲を感じることができた。
一方、日本企業も、日本貿易振興機構(ジェトロ)や、(一社)全日本コメ・コメ関連食品輸出促進協議会(全米輸)のブース、また企業単独ブースでの出展があり、米菓企業などが積極的にアピールしていた。今後、官民が一層連携して海外輸出促進に向けた取り組みが進むことを期待したい。
このほか、今回の展示会のトピックとして、初めて「Anuga Alternatives」(アヌーガ・オルタナティブ)といったゾーンが設けられたことが挙げられるだろう。 同ゾーンには、主に植物性、昆虫由来、藻類、菌類、細胞培養肉などの代替たんぱく質を取り扱う企業が出展していた。代替たんぱく質の多様化などに関する動向や展示内容については、後述することとする。
このほか、革新的な技術や新たなコンセプトに基づき製品開発を進めるスタートアップ企業などが集結する「スタートアップ・エリア」は毎年話題となっており、今年も注目を集めていた。
同ゾーンには菓子製品や、エチオピア原産の穀物「Teff」(高タンパク、鉄分・食物繊維が豊富)などの素材を取り扱うメーカー、また、飲料関連企業が集結し、今年は60社以上が出展していた。
「Anuga taste Innovation Show」
「Anuga taste Innovation Show(アヌーガ・テイスト・イノベーション・ショー)」は同展示会の目玉の一つだ。国際的な審査員団(業界専門記者、栄養学者、市場調査の専門家など)によって、1900件以上の応募の中から62の革新的な製品が選ばれた。また、62製品の中から、上位10製品(The top ten innovations)が選出されている。
選定の基準は、コンセプトの独創性、持続可能性、市場性、クリエイティビティなど。上位10製品には、前述した植物由来+魚成分を組み合わせた次世代型ハイブリッド魚介製品のほか、アップサイクル製品、植物性代替たんぱく質を使用した製品、藻類由来の天然乳化剤、美容と健康を意識した機能性ヨーグルトなどが選ばれた。上位10製品の中から、特に注目の大きかった製品は以下の通り。(本誌では10製品すべて紹介している)
<The top ten innovations(主な上位10製品)>
●常温で楽しめるフリーズドライアイスクリーム
製品名:「Crunchy IceCream – Blueberry& Blackberry」(クランチーアイスクリーム – ブルーベリー&ブラックベリー)
会社名:Panfruit Ukraine(ウクライナ)
概要:フリーズドライ技術でアイスを常温で楽しめる、果実感たっぷりのサクサク食感のスイーツ。冷凍設備が不要なため、持ち運びや販売が容易であり、アウトドア利用や自販機での展開などを想定している。

●香りで味覚を再現する革新的飲料
製品名:「air up® Liquid Rainbow Variety Pack」(air up® リキッド・レインボー・バラエティパック)
会社名:airup GmbH(ドイツ)
概要:香りで味覚を再現する革新的な飲料。「香りで味を感じる」ことができる独自のScentaste™技術を用いた飲料システムで、香り付きのポッドを装着することで、ただの水がフルーティーな味を持つように感じられる。

●冷凍状態から一瞬でホットのドリンクに
製品名:「Hotly – Vegan Hot Beverage」(ホットリー – ヴィーガン・ホットビバレッジ)
会社名:And Ice P.C.(ギリシャ)
概要:冷凍状態からお湯などを注ぐことで一瞬でホットドリンクになる、完全植物由来の新感覚飲料。
100%天然の果物、ハーブなどから作られており、カロリーが低く、精製糖を一切使用していない。簡便さとナチュラル志向を両立した製品。

●動物性と植物性融合のハイブリッド魚介製品
製品名:「Meatless Hybrid Fish」(ミートレス ハイブリッドフィッシュ)
会社名:Meatless B.V.(オランダ)
概要:植物由来+魚成分を組み合わせた次世代型ハイブリッド魚介製品。30%のタラと70%の加工米フレークから作られている。「動物性と植物性を融合させた新しいシーフードの形を実現した」としている。

●アップサイクル・あんずの種バター
製品名:「100% Apricot Kernel Butter」(100% アプリコットカーネルバター)
会社名:Kern Tec GmbH(オーストリア)
概要:あんずの種100%で作るバター。果肉加工時に通常は廃棄される「種」部分をアップサイクルしたサステナブルな製品。アーモンドバターやピーナッツバター等の代替利用を想定。動物性成分や添加物を一切含まず、ヴィーガン仕様・クリーンラベルであることを訴求。ビタミンEや植物性脂質を豊富に含んでいる。

※本誌11月号では同現地取材レポートとして、菓子分野の注目製品・展示ブースの取材や、トレンドを深堀りした記事などを掲載しております。ぜひご一読ください。
#ANUGA2025 #菓子トレンド #食品トレンド #食品輸出 #菓子輸出 #グローバルトレンド
CATEGORY
ARCHIVE



