【機能性表示食品・注目動向】機能性表示食品開発の費用改革実現。高精度臨床試験でエビデンス取得に光明~㈱EAS~2023.08.25(金)フードニュース
※本企画は「フードニュース8月号」でも掲載しています。
コロナ禍による健康志向需要の高まりを背景に、機能性表示食品市場が拡大を続け、競争も激化している。
独自性の高い機能性表示食品を開発するためには、臨床試験でのエビデンスをもとにした届出が必要となるケースが多いが、約1000万円以上といわれる高額な費用、信頼性の高いエビデンスを得るための被験者管理の難しさなど、菓子メーカーとしてクリアしなければならない課題が多いのが現状だ。
こうした課題を解決し、高い信頼性とリーズナブルな価格を両立した機能性表示食品の受託臨床試験・届出のサービスを実施しているのが、㈱EAS(本社神奈川 二分茂礼代表取締役)だ。
「弊社の関連会社では10年以上前から、臨床検査の被験者募集の業務を手掛けけ、医療機関や大学機関、医師、解析機関との強い繋がりを構築してきました。このようなリソースを弊社を軸に掛け合わせることで、機能性表示食品開発の立ち上げからフィニッシュに至るまでのサポートを、高精度・低価格で実現できるビジネルモデルを構築すべく(下図参照)、2019年に弊社を設立いたしました。その結果、独自性の高い機能性表示食品の臨床検査・届出であっても、従来の約3分の2の費用で実施できるようになりました」(同社 二分代表取締役)。
費用負担が大きく、機能性表示食品の開発を断念せざるを得なかったメーカーにとっても、開発費のコストカットが至上命題となっている企業にとっても、同社のサービスは、自社商品の開発力を上げる格好の機会となるだろう。
被験者管理、高精度検査の実施。効果的な論文発表で強み発揮
同社のサービスは費用以外の面でも優位性を発揮する。
「食品関連の臨床試験は非常にナーバスです。例えば女性をターゲットとした試験の場合、被検者の月経周期がエビデンスに影響が出る場合があります。弊社では被験者の選定にあたり、こうした体調管理はもちろん、試験をまじめに受けていただけるかというペルソナの管理まで行っており、弊社が受託しているメーカー様からも高い評価をいただいております」(二分代表取締役)
また、同社が提携しているのは、医薬品の臨床試験を中心に実施している医療機関、医師となっている。臨床試験の検査方法、管理体制、入院検査時の生活管理などの面で、食品より厳しい、医薬品の臨床試験を基準に行う。そのため、医療機関や医師の方から、より詳細な検査方法を提案されることもあり、精度の高いエビデンス獲得に繋がっているという。
さらに、臨床試験後の論文作成の際にも、大学機関とのネットワークを生かした適切なマッチングを実施。届出受理のための必要条件を満たした論文にまとめ発表する。
「メーカー様にとって、臨床試験で結果が出ないことが一番怖いと思います。そこで弊社では、小さな予備試験や既存論文の精査など、準備段階に慎重に手間と時間をかけ、結果の出る試験を目指しています。
また、どうすれば自社の製品に機能性を付加できるのか、というご相談を受けることもあります。こうした初めてのメーカー様のコンサルティングもていねいに行い、高い競争力を持った機能性表示食品を世に送り出すお手伝いをさせていただければと考えております」(二分代表取締役)