商品開発最前線 三幸製菓×Makuake2023.11.25(土)フードニュース
※本記事は「フードニュース11月号」にも掲載しています。
米菓メーカーの「求肥」を使った新食感グミ
「Makuake」テストマーケティングで反響
睡眠サポート食品「にゅ~みん」(カルビー)、カカオの新しい可能性に挑戦した「カカフル」「カカウェル」(明治)など、次世代を担うイノベーティブな新商品開発において、㈱Makuake(マクアケ)(本社東京 中山亮太郎社長)が提供する応援購入サービスを活用し、成果をあげている事例が目立っている。
三幸製菓㈱(本社新潟 佐藤元保代表取締役CEO)は米菓メーカーが挑戦する新食感グミ「mochicure(もちきゅあ)」のテスト販売・マーケティングを、マクアケを利用して、10月19日~11月27日の期間で実施している。
「もちきゅあ」の開発においては、米の消費量が減少し続ける中、30代~40代女性の需要が高いグミに着目。米菓メーカーの個性を、激戦区であるグミ市場での差別化に繋げるべく、もち米由来の求肥を使用し、もちもちでとろけるような「とろむにゃ食感」という新次元の食感を打ち出した。
「『破断強度解析』など当社が米菓製造で培ってきた分析技術を駆使して、求肥の柔らかさを日持ちさせた、最もソフトな食感を狙った」(三幸製菓 製品開発2課 担当者)
事前のユーザー調査では、ハード系グミとの比較で「とろむにゃ食感」の評価が分かれたが、「賛否が分かれたことで、ソフト系グミ愛好者からの熱い支持を実感でき、『尖った特徴を持つグミ』として認知してもらえる手応えを得た」(同 マーケティング部NC課(※) 担当者)
食感が尖っている分、味については主張を抑え、程よい甘みとフルーツの味わいで、口に入れたときのリフレッシュ感が強調された仕上がりとなっている。
「mochicure 頑張り時のミカン味」と「同 リラックスタイムのグレープ味」の2フレーバーを用意し、カフェインを配合した「ミカン味」は、朝食などオンタイムへの気持ちの切り替えに、トリプトファンを配合した「グレープ味」は、リラックスタイムへの導入にと、毎日のオン/オフの気持ちの切り替えに寄り添う商品となっている。
「特に朝食代わりの喫食を重視し、求肥ならではの腹持ちのよさと、ビタミンB1と鉄分の配合による罪悪感の少ないグミという点を訴求していきたい」(NC課担当者)
※三幸製菓の新しいカテゴリーでの商品開発を担う部署。同課と技術部門の「製品開発2課」がしっかりと連携を取ることで、画期的な商品開発に繋がった
テストマーケティング+αの成果が
新機軸を打ち出した「もちきゅあ」のテストマーケティングとして、三幸製菓ではマクアケの応援購入サービスを利用。
「米菓メーカーのお米で作ったグミが、ユーザーに受け入れられるのかを探ることと、その反応をもとに社内コンセンサスを醸成することが目的。特に食感に対する第一印象の収集に重きを置いた」(NC課担当者)
とはいえ三幸製菓にとっては初の試み。当初のページ構成案にはマクアケ担当者から、新しい視点からの修正案が多数提案されたという。
「お米のグミという独自性、三幸製菓という米菓メーカーが求肥に着目した必然性、新しい食感体験などの打ち出しポイントが、客観的にどう見えるのかを意識し、ユーザーが興味を持って、買いたくなるページ作りを提案した。三幸製菓様とはメールやオンラインで何度も打ち合わせを行い、深い意見交換ができたことで、商品の特徴を余すことなく伝えるページが完成したと思う」(マクアケ担当者)
ユーザーの反響も上々で、目標金額の30万円を早々と突破。購入者のコメントからは「とろむにゃ食感に惹かれて」「お米のグミが気になって」など、商品コンセプトそのものへの評価が、購入に繋がっていることが確認できたという。
「ユーザーの反応がリアルタイムに聞けることから、社内への伝播のスピード感が従来のテストマーケティングと全く違い、当商品開発への社内の一体感が早期に形成された。さらに卸売様、小売様からの反響もあり、テストマーケティングが広報・宣伝活動にも繋がるという新しい発見もあった」(NC課担当者)
マクアケの応援購入サービスを利用することで、「もちきゅあ」による事業拡大と新規ユーザーの獲得、米の消費量拡大に向けて一歩踏み出した三幸製菓、一般販売に向けた今後の展開に期待が集まる。