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春日井製菓・「思考力ラボ」とのコラボラムネを新発売2022.02.25(金)

小学生とのコラボがもたらす相乗成果
消費者を作り出す試みに期待高まる

※本企画は「フードニュース」2月号でも掲載しています。

春日井製菓㈱(本社名古屋 春日井大介社長)は、総合教育サービス事業の㈱やる気スイッチグループ(本社東京 高橋直司社長)が運営する「思考力ラボ」に通う小学生との共同企画で作成した新パッケージの「スイッチONタブレット」を3月28日に発売する。
同社は2020年に発売した同商品のリニューアルにおいて、最も喜ばせたい対象を小学生に設定。勉強や遊び、習い事などの様々なシーンで、やる気のスイッチをONにしたいときの相棒となる商品を目指した。その際、「スイッチ」という共通項をきっかけに、お菓子作りのプロセスを通して、子どもたちの成長を応援するプロジェクトとして両社のコラボが実現。リサーチや議論などを軸として自分で考える力を育む「思考力ラボ」の生徒13人が参加して、昨年夏休みから10月までの期間で、同商品の新パッケージの作成に取り組んだ。

旧商品と中身は同じでも、わかりやすい訴求ポイントとインパクトのあるビジュアルで、売り場での存在感が上昇。誰に向けた商品かも一目瞭然。4種類のデザインは面展開でも効果が期待できる

共創型製品開発への挑戦

今回のコラボ企画の背景には、数年来業界全体では堅調に推移するラムネカテゴリーにおいて、同社は幼児向けの「ラムネいろいろ」の好調が頼りという現状への危機感があったという。
「乾式ラムネが順調な他社に対して、湿式ラムネを得意とする当社は苦戦中。現状を変えるためのこれまでの当社の商品づくりは、すべて自社内完結型だったが、今回は違う結果を求めて違う取り組みに変更してみた。この商品が最も喜ばせたい相手である小学生とコラボすることで、お客様を最初から巻き込んだ、共創型の商品開発が実現できた」(春日井製菓販売㈱ マーケティング部長・原 智彦氏)
完成した4種類のパッケージは、やる気にスイッチが入った子どものワクワクした目に、思わず引き込まれるような力強さに満ちている。生徒たちの意見を元に「ぶどう糖95%」をの文字を大きく、目立つ位置に配置したことで、同商品の高い機能性訴求も強化された。生徒たちの手描きイラストもいいアクセントになっている。

(写真左より)自分たちで考え、人の意見も聞きながらアイデアをまとめる子どもたち。パッケージの裏面では、今回のコラボの狙いと想いを伝える。個包装デザインには、「スイッチON」の言葉を自分で書き込める仕様も

また、個包装には子どもたちへのアンケートから選ばれた、「やる気の出る言葉」がデザインされており、中にはスイッチがOFFになる、大人が言いがちな「やる気を奪う言葉」も含まれている。「こうしたスイッチOFFなシーンで親子が思わず笑ってしまい、次のやる気につながる状況に貢献できれば」(原氏)と、個包装ひとつひとつにまで気を配り、愛され続ける商品を目指した。
3月の発売に向けた商談では、子どもたちの表情やぶどう糖95%などパッケージのインパクト、個包装の個別デザインが評価され、順調な受注状況。受験シーズンでの発売を望む声もある一方で、子どもたちの「日々の相棒」として、定番での定着を狙う同社の姿勢に共感するバイヤーも多いという。
今回の同社の取り組みは、最初から食べ手と一緒に商品開発を手掛け、消費者を作りながらのプロジェクトとして注目を集めるのではないか。ラムネカテゴリーで苦戦する同社が、自ら変わろうとする試みとして期待したい。

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