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【生産現場イノベーション】春日井製菓×阿部幸製菓2024.02.26(月)フードニュース

“学んでまねる”で深化した両社交流
刺激得て、イノベーションの芽吹きへ

本企画は「フードニュース2月号」にも掲載しています。

「生産現場の同業他社との交流」をテーマに、春日井製菓の社員15名が阿部幸製菓を訪問し、工場見学、両社の取り組み発表・意見交換、懇親会を行った模様を、弊誌2023年9月号で紹介したが、今回は阿部幸製菓の社員11名が春日井製菓を訪ねた。 
 前回の交流で受けた刺激が、その後どのような展開に繋がり、また、2回目の交流でどのように深化しようとしているのか。会社としての取り組みと参加者ひとりひとりに生まれた“気持ちの変化”についてレポートする。

(写真上)スナックタイム終了後、参加者全員で記念撮影。距離が縮まったことを象徴するように、両社を代表して2名が最前列でゴロン。(写真左下より)阿部幸製菓のエネルギーは「自分たちで良くする!」と活動する社員たち。意見交換をさらに活発にさせてくれた両社製品。春日井B工場 グミ部門、入社3年9か月の大野さんは、堂々と自分の意見を述べたあと、次の発言者として、「めっちゃ目のキラキラしてるあなた!」と、阿部社長を指名

 2023年11月9日午後、阿部幸明社長(取材当時は専務)、大村常務をはじめとする阿部幸製菓㈱(本社新潟 阿部幸明社長)の社員11名は、新潟県小千谷市からの遠路はるばる、春日井製菓㈱(本社名古屋 春日井大介社長)・春日井工場の門をくぐった。
 出迎えを担当する春日井製菓社員の中には8月の阿部幸製菓訪問の経験者もおり、「お久しぶり」「会いたかった」など、再会を喜ぶ挨拶が交わされていた。
 阿部幸製菓は1回目と同じメンバー。春日井製菓は1回目のメンバーに加え、春日井工場の従業員を中心に約50人の大所帯での参加となり、①春日井製菓の会社・工場説明 ②工場見学 ③スナックタイム~阿部幸製菓の取り組みプレゼンとおしゃべり・意見交換 ④懇親会 の流れで進行した。

 春日井工場は同社生産部全体の88%生産比率を誇る中核工場で、270人の従業員(2023年7月1日現在)でキャンディ、グミ、豆菓子の製造・包装・配送を行っている。
 同工場全体の概要説明に続き、「いかピーナ」の製造・包装工程を映像で紹介。阿部幸製菓より「柿の種」の製造上の長年の課題に関連する質問があり、「いかピーナ」と「柿の種」の製造・包装工程での突っ込んだ意見交換が行われ、交流2回目ならではの両社の信頼感の深さが見てとれた。続く工場見学では、最新の設備に感嘆するとともに、製造・包装・配送の各工程で、メモを取り、質問を繰り返す阿部幸製菓社員の姿が数多く見られた。

 工場見学を終え、同工場内の食堂には春日井製菓の従業員が続々と集まり、同社の「経営理念」と「スローガン」を阿部幸製菓の参加者も一緒になって唱和し、「スナックタイム」がスタートした。
 挨拶に立った阿部社長は「私たち阿部幸製菓の経営理念は、『私たちが作る食品を通じて、世界中の人達を笑顔にしたい』です。食品を作るだけではなく、お客様を笑顔にすることが私たちの目指す姿です。同時に社員ひとりひとりが、主体的に自分たちで考えて挑戦し、みんながハッピーになることに取り組んでいます。春日井製菓さんの『保全活動』や『みらい創造プロジェクト』などは、ひとりひとりがどうやったらよくなるかを考えて生まれた活動で、私たちと非常に共通点が多い。今日はよりいっそうコミュニケーションを深めていきましょう」と述べ、2回目の交流の意義を参加者全員で共有した。
 次いで阿部幸製菓より、社内横断的なコミュニケーション強化の取り組みとして、①「阿部幸製菓2.0」(AK.R&Dセンター・広野さん)、②「ABEKO ドッグラン」(営業部・中村さん)、③「良いね!活動」「お知らせ掲示板」(品質管理部・広報室・白井さん)の活動プレゼンが。製造現場の品質向上、ロス削減等の取り組みとして、製造部の安部さん、中島さん、谷江さんが「土川beika’s」「FBI柱合会議」「チョコ案活動」について発表した(活動の詳細は、弊誌2023年9月号P.28~35参照)。
 その後の「テーブルおしゃべり会」「感想発表」では、春日井製菓の参加者が、プレゼン内容への細かな質問に加え、自分たちの仕事内容、職場の雰囲気、主体的な活動について、熱く、楽しそうに伝える姿が目についた。

阿部幸製菓スタッフの参加の模様を伝える掲示板

 実は今回に先立って、両社間の交流はすでにスタートしていた。10月27日の春日井製菓の「保全活動日」に、阿部幸製菓の製造現場スタッフ4名が参加し、春日井製菓のスタッフとともに分解・清掃などの保全活動を行った。他社工場の機械を保全する側も、他社スタッフに自社工場の機械の保全を教える側も、貴重な気づき、学びを体験したという。
 このほかにも女性活躍をテーマにした両社の活動での交流も予定されており、社員ひとりひとりが自分で考えた交流は、今後も活発化しそうだ。
 会場を名古屋市内の飲食店に移した懇親会では、春日井製菓の「みらい誰もが活躍クラブ」(MDK)で、ボードゲームの開発を目指す経理課・押谷さんに、阿部幸製菓の中村さんが、前回の交流以来温めてきたという「つぶグミ」を使ったゲームの提案をしたり、お互いの部活に参加し合う計画など、会社の垣根を超えた「横断活動」が活発に展開されていた。


 おいしい名古屋めしとお酒で大盛り上がりの中、前回参加者を中心に、交流後の変化と今後の展開について、それぞれの思いを聞いた。
●阿部幸製菓社員の思い
*私は人見知りなんですけど、みなさん温かく迎え入れてくれて、すごい心地いいです。みなさんとお話をしていると、モチベーションが上がるんですよ。持ち帰って、さっそくやりたいって。明日も仕事したいくらいです。そして、春日井製菓の若い人たちの自主性が素晴らしい! 私たちはそこが課題で、うちの若い人たちもいいものを持ってるんですけど、なかなか引き出せていない。若い人の自主性がどうしたら育まれるのか、ヒントが欲しいです。(製造部・谷江さん)
*阿部幸製菓として学ぶべきことが多く、また、両社のチームワーク、団結力という点で、2回の懇親会を通じて、私には春日井製菓・グミ部門に後藤さんという親友ができまして、もう最高です。(製造部・安部さん)
*前回も春日井製菓さんの若い人たちが、堂々と自分の意見を言えていることにに接して、私も自分が変わらないといけないなって思い、自分から引き出すコミュニケーションを心がけているところです。(製造部・中島さん)
●春日井製菓社員の思い
*前回、中村さんのドッグランのお話を伺って、それを持ち帰って、私たちもいろんなメンバーと部署を超えて交流することも大事だよなと。それで今、押谷と一緒にボードゲームの会を作ってまして、工場の方などメンバーも増え、新たな交流と刺激を受けて、さらにやる気になっています。(生産管理/みらい誰もが活躍クラブ・鈴木さん)
*当社にはまだ、本社と工場の間でそれぞれアウェー感というのが残っていると感じることがあり、ドッグランのお話を伺うと、日頃の積み重ねがあってこそ、手を挙げてくれる人がいるんだなあと実感しています。(経理課・押谷さん)
*企業間の交流でいろんな相乗効果が生まれるようにしたいです。コミュニケーションあっての企業の発展だと思っているので。今回はうちと阿部幸製菓さんでしたけど、他の企業さんともどんどん繋がって、交流するのが当たり前、みたいにになって、“学んでまねる”でいろんなイノベーションが起きたらいいですね。(生産保全統括部・鹿田さん)

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